tokenism(トークニズム)という用語をご存知でしょうか。体裁主義、形式主義などさまざまな訳が当てられていますが、どのような文脈で使われるか見ていきましょう。
Tokenismとは?
辞書(ウィズダム英和辞典)の定義によると、(非難して)建前主義と訳されており、例えば人種差別や性差別に賛成しながらも最小限の努力しかしないこと、と解説があります。
ケンブリッジの英英辞典はもう少し詳しい解説があり、「見かけ上、公正に見せようとするために、社会で不平等に扱われているグループにアドバンテージを与えるふりをすること。」としています。
どのような文脈で使われるかというと、政治的な正しさ(ポリティカルコレクトネス)が求められたり、多様性が求められている現代において、それに形式上応えようとして、申し訳程度の体裁を繕うといったところでしょうか。
例えば、広告の写真の登場人物に、女性や有色人種を入れることで、社会問題(差別)への取り組みとして体裁は取りつつ、それ以上のことは何もしない、ような感じです。
make a token effortという表現にも注目
make an effortは「努力する」という意味の表現ですが、make a token effortになると、「努力しているふりをする、形だけの努力をする」という意味になります。
tokenismもこのtoken effortから来ていると言えます。
tokenというのは、しるし、証拠という意味です。
しかしながら、tokenismという用語は1950年代からの差別運動の文脈において使われていることに注意を払う必要があります。ですから、「それは多様性かトークニズムか」のような使われ方をします。
以上、tokenismの説明でした。